Ardmore 2008 / 13yo / 52.4% / 700ml 【The Kilnsman's Dram】 / Bottler : Goldfinch Whisky [Scotland]
小規模ながら、クリエイティブなワイン・スピリッツの専門家 すなわち、
ウイスキーのイノベーター、キュレーター、エクスプローラー―の集団として名高いボトラー。
なぜ「ゴールドフィンチ」?
ヨーロッパ・ゴールドフィンチ―頭の鮮やかな赤が目印の小鳥―は、スコットランドで夏を過ごし、野生のアザミの綿をはぎ取って巣作りします。この特徴的な小鳥たちは、冬の到来を機に南スペインに渡り、シェリー酒の醸造所の近くに住み着きます。そう、ウイスキー業界にとっては欠かせない、豊かな味わいを生み出す樽(シェリー樽)を得られる場所です。
「幸運を呼ぶ」とされるこの鳥は、古くから芸術の世界でも広く親しまれてきたシンボルであり、繁栄、楽観主義、そして多様性の象徴であります。これらは私たちが重きを置いている基本的な価値観と近しいものです。
【Highland Single Malt Scotch Whisky / Cask Type : 1st Fill European Oak Oloroso Sherry Hogshead / No of Bottles : 350】
ザ・キルンズマンズ・ドラマ
モルティングフロアの条件と穀物と熱の相互作用を読み取る献身、経験、能力を称えるものです。私たちは、蒸留所では失われつつあるこの技術に光を当てるためにこのシリーズをリリースしましたが、現代のクラフトモルトスターは機械化されたシステムを使用して近代化を進めています。ボトルの拇印を見れば、キルンズマンがその品質を認めていることが分かります。
キルンと呼ばれる乾燥塔での作業は、ウイスキーづくりにおいて重要でありながら、過小評価されがちな工程。ここでは、ピーテッドウイスキーとアンピーテッドウイスキーに、一貫した風味をもたらすモルトを製造するための技術と経験が要求されます。発芽後の大麦を単に乾燥させるだけでなく、蒸留に不可欠なデンプンの消費をストップさせます。キルンズマンは、水分含有量、温度管理、酵素を効果的に不活性化する必要性などを考慮した上で、適切なタイミングで麦芽の粉砕を行う必要があります。
現在、キルンが稼働している蒸留所はほんの一握りです。グレンタレット、スプリングバンク、ボウモア、ハイランドパークなどがその例で、モルトを手作業で回転させているところはさらに少数です。エネルギーを最も効率的に使用するためには、乾燥工程の速度とバランスを取る必要があります。ブレイクポイント以降、モルトの風味はデンプンと穀物から生まれ、ウイスキーに甘み、ビスケット、モルトの香りが加わります。ピーテッドウイスキーでは、煙を吸収しやすくするために水分が必要です。キルンズマンはこうした繊細なニュアンスを理解し、マスター ディスティラーと密接に連携して作業を進めます。
【テイスティングノート】
香り:新鮮な大麦と草、軽い香りとトフィーのスモーク。
味わい:ドライオーク、洋ナシ、シトラスフルーツ、バニラ、トフィーの香り、滑らか。
余韻:大麦とほのかなハチミツの香りとウッドスモークが続きます。
[Tasting by Goldfinch Whisky]